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7年間ずっと勝てなかった人。
遥斗が…自分を見失うほど
深く愛した人。
今の遥斗にとっては
もう沙織さんはどうでもいい
存在なのかも知れないけれど…
私の中では何よりも怖い存在だ。
深くため息を吐き出した私に
小野さんが声を掛けて来る。
「前島さん、
前田邸の完成視察今日だっけ?」
「はい、もうそろそろ出ますか?」
「うん、じゃ用意して来るわ」
にこやかにデスクに
戻って行く小野さんの
背中を見つめながら
またひとつため息を吐き出した。
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