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ポロリと落ちてしまった涙に
冬木部長は笑いながら
真新しいおしぼりを渡してくれる。
「前島チーフはまだまだ
これからも頑張って貰わないと。
今のプランニング課は
前島チーフがいなきゃ
回らないのが現実なんだから。
しっかりしなさい」
「はい…」
見つめ合っていた私と
冬木部長の間に泥酔状態の
礼子が割り込んで入る。
「部っ長~!
もっと飲んでくらさいよぉ!
今日は主役なんれすからねぇ」
「宇佐美…
お前結婚決まったんだから
泥酔なんかしてるなよ」
ヘラヘラとビールを手に
笑っている礼子に
部長も笑っていた。
それを見つめながら
この心地良い空間が
これから変化してしまう事が
無性に寂しく感じていた…。
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