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主役の礼子は、みんなに囲まれて
幸せそうに笑っている。
その笑顔だけは壊したくないと
心の中に再び生れてしまった
不安を押し隠しながら
静かにビールを口に運んでいた。
「チーフ、今まで
本当にお世話になりました」
ようやく集団を抜けて来た
礼子から掛けられた言葉に
じわりと胸が熱くなる。
「こちらこそ…
今まで礼子には本当に
たくさん助けられたわ。
これからは青木さんを
しっかり支えて…
幸せになってね」
そう言いながらも
鼻の奥がツンと痛くなって
思わず苦笑いしながら
視線を逸らした。
言う事は容赦ない礼子だけど
共に助け合いながら
この仕事をして来た6年間。
お互いが引かない事もあって
ぶつかり合った時期もあった。
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