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それでも負けじと私に
ついて来てくれた礼子が
いなくなるのはやっぱり寂しい。
そう思いながら
必死に涙を堪えていると、
礼子がゆっくりと語り始めた。
「私…ずっとチーフが
大嫌いでした。
仕事も出来て、綺麗で
頭も良くて…
何もかもがパーフェクトで
こんな女、って何度も思いました。
だけど…
冬木支店長との恋に
苦しんでるチーフを見て…
ああ…この人は…
人の愛し方だけは
不器用なんだって気づいた時…
完璧じゃないチーフが
無性に好きになりました。
たぶん…東雲さんも
チーフのそういう所が
好きなんだろうなって。
仕事を完璧にこなしても
恋愛だけはダメダメな
そういうチーフが…
一番可愛くて大好きです」
涙を流しながら
言った礼子に釣られて
私までが涙を我慢出来なくなった。
「もう礼子ったら…
泣かせないでよ」
「だってチーフ…」
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