静かな決意

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ほぼ完成形になっている 朝日奈さんの部屋の視察を 終えた帰り道。 「前島さんはこのまま直帰?」 「あ、今日は後輩の寿退社で 送別会に直行なんです」 「後輩が先に寿退社ね」 クスクス笑いながら 言われた言葉にムッとして 微かに頬を膨らませた私を見て 朝日奈さんはプッと吹き出した。 「そんな膨れなくても… って言うか、会場ってどこ? 送ってあげますよ」 「いえ!とんでもない。 朝日奈さんの 連休中のスケジュールは 確か1日しか空きが なかったじゃないですか。 休める時に休んで下さい。 私は電車で移動しますから 適当にその辺の駅で 降ろして頂ければ…」 また荒い運転なんかされたら とてもじゃないけど身が持たない なんて思いつつ 丁寧にお断りしたのに。
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