帰る場所

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そのたび彼の手が 落ちて行く私の手を 元の場所へと導いて 繰り返される悦楽の渦に 意識が薄れそうになる。 「サディスト…」 ポツリと呟いた私の声に ガラスに映り込む 彼の口元が微かに弧を描く。 それを見つめながら ついに力尽きて 崩れ落ちそうになった私から 彼はゆっくりと引き離れると ようやくベッドへと運んでくれて。 「まだ終わりじゃないよ」 耳元で囁かれた言葉に また敗北感を味わいながらも 再び繋がった熱に狂わされて行った。  
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