最後の言葉

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香織が香港に来る 前の日の夜。 仕事を終えて、 俺と小野さんは冬木支店長の 家に向かっていた。 「本当に大丈夫か?」 小野さんの質問に 俺は笑みを見せる。 「大丈夫です。 俺はもう…香織だけを 愛していますから」 「だよな。 余計な心配だったな。 だけど冬木支店長も どういうつもりなんだろうな。 沙織とお前の過去を 知っていながら家に呼ぶとか あり得ないだろ」 タクシーのシートに 沈み込みながら言った小野さんに 俺はもう一度微笑んで それに答えた。
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