3173人が本棚に入れています
本棚に追加
「遥斗……ごめんね……。
私…遥斗にひどい事を言った…」
「うん。本音を言えば
かなりショックだった。
だけどあんな事を言わせた
俺にも責任がある。
香織も俺もさ…
お互いに自分の感情を
ぶつけられるような
恋愛をして来なかったろ?
頭の中では香織は違うって
解っていても…
やっぱりどこかで
躊躇う自分がいて
言いたい事が言えなかった。
だけどな…
香織がああして感情を
俺にぶつけてくれた時
どこかホッとしたって言うか…
ああ…言葉に出しても
いいんだって思えた。
そしたらさ…
やっと俺も迷いが消えたんだ」
「迷い?」
私の問いかけに彼は
じっと私を見下ろしながら
小さく微笑む。
頬に添えた手をそのままに
私の唇にそっと軽いキスを
落としてから静かに呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!