帰る場所

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やっぱり彼は…… 私のためにこの仕事までも 辞める覚悟を決めた…。 きっとそういう事なのだろう。 日本と香港で離れて暮らす事で 私が不安を抱えていた事も、 今すぐにでも仕事を辞めて 香港に来ようと考えていた事も 全て理解していたのかも知れない。 「だけど遥斗… 朝日奈さんが……」 ポツリと呟いた私の言葉に 彼はふわりと笑みを落とす。 「小野さんが言ってたのは やっぱり恭一の事だったか… 小野さんはハッキリ言わなかったけど 何となくそれは日本に行った時に 俺は感じていた事だったしね。 大丈夫。 恭一とも俺はちゃんと 向き合うつもりだから。 香織は何も心配しなくていい」
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