帰る場所

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彼の繊細な指先の動きに あっさりと踊らされてしまう自分が 恥ずかしくて唇を噛みしめる。 ガラスの向こうに 揺らめく光をうっすらと 瞼の隙間から眺めながら、 躰の中心に沈められた感触に 声をあげた。 「遥斗っ…もう立っ…てられない」 懇願する私の背中に 繰り返し落とされるのは チクリチクリと焦がすような 彼のキス。 「ダメ、許さない。 暴言吐いた、おしおきだから」 しがみつきたくて伸ばした手は ガラスの表面をなぞりながら ズルズルと落ちて行くだけで。  
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