過去と未来

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小野さんの見送りを済ませた 冬木支店長と最後まで 笑みを見せてくれていた 沙織さんの背中を見つめながら 遥斗が呟く。 「冬木支店長も… 幸せそうだったろ?」 「うん…」 「あの二人はさ… 香港に戻って正解だったんだよ。 きっとこれからもあの人たちは この地で幸せに 暮らして行けると思う。 だからって訳じゃないけど… 俺と香織もあの二人に 負けないくらい 幸せにならないとな」 微笑んで落とされた彼の言葉に 胸がじわりと熱くなった。 お互いの過去と向き合って 二人でここから歩み出そう。 彼がそう言ってくれているような …そんな気がして。
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