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遥斗との思いが繋がっても
遥斗と同じように苦しかっただけに
その記憶はなかなか消えなくて
いまだに感情をぶつける事に
躊躇ってしまう自分がいるのは事実。
まして遥斗は私と冬木支店長の
不倫現場を目の当たりに見たのに
それでも私という女を
愛してくれただけでなく
こうして私の過去までも
受け止めてくれる。
それなのに私ったら
遥斗が沙織さんを
愛していた過去にまで
嫉妬なんかして…
自分の器の小ささに
少し情けなくなった。
「だから…今日空港で
彼女とも会う事になるかもだけど
香織は香織のまま、
何も遠慮せずに堂々としてて。
彼女は今…
幸せに暮らしているし
冬木支店長と香織の過去を
責めたりなんかしないから
変に気を使ったりしないように」
遥斗の言葉にコクンと頷けば
またふわりと抱き寄せて
優しく包んでくれる。
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