愛の形

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橋本君の言葉は確かに 間違っていないと思う。 だけど… 「橋本… アンタには分からないよ…。 アンタがここに来る前から 私と部長の間には 色々な事があったの。 アンタが言う通りで 苦しい気持ちだって当然ある。 だけど… それでも私は部長が好きなの! お願いだからもう放っておいてよ!」 橋本君に掴まれていた腕を 振り切ってオフィスに戻って行く 千夏を表情も変えずに 見つめていた橋本君は 深いため息を吐き出した。 「全く…世話の焼けるやっちゃ」 「え?」 「課長、アンタ女やのに 気付かへんの? 千夏な、えらい揺れとるで。 不安でたまらんくて 押しつぶされそうになっとる。 強気な事ばっかし言いよるけど 千夏はめっちゃ弱い子やねん。 小野部長と気持ちを 分かり合ったからこそ 余計に不安になったんやろな。 二人の間に色々あったんは なんとなく俺にも分かる。 せやけど千夏は確かな 確証が欲しいんや。 小野部長に愛されとるって その確証が欲しいのに 本当に言いたい事を言えずに 苦しんどる。 それが何なんか、 課長やったら分かるやろ?」  
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