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思わずゴクリと唾を飲む。
紫の煙を吐き出しながら
こちらに視線を向けた康平さんが
低い声を掛けて来た。
「東雲、少し話そうぜ」
…いきなり呼び捨てですか。
まぁ…大切な妹の香織だけに
まだ康平さんは俺を
認めてはいないのだろう。
あんなに温かいご両親だけに
康平さんは熱い思いを
持っている男だと感じていたし。
「はい」
返事をした俺をジロリと
睨むその瞳は、俺が初めて
香織に会った時に向けられた
あの目と瓜二つだった。
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