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「足湯に浸かってみる?」
「無理無理」
「なんで?」
…言えるかよ。
めちゃくちゃ緊張してて
そんな余裕ないなんて。
そう思いながら笑って
誤魔化す俺の手を
香織はグイッと引っ張って
足湯の上段にある手湯槽に
そのまま突っ込んだ。
「おいっ!」
慌てる俺にクスクス笑う香織。
だけどそのお湯の温かさが
すっかり冷えた手にじわりと染みる。
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