帰郷

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もう一度深々と下げた頭を ゆっくりと持ち上げると… 相変らず眉間にシワを寄せて 俺を見下ろす兄、継続中。 「ちょっと…お兄ちゃん…」 香織がつついて初めて 俺に向けて言葉が掛けられた。 「いらっしゃい。 兄の康平です。 まぁ…ゆっくりして行って下さい」 掛けてくれた言葉は 良心的でもその目は 全く笑っていない。 …よほど妹の男が 気に入らないらしい。  
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