飛鳥 1

7/20
前へ
/198ページ
次へ
悪目立ちって、こういうことをいうんだろうな。 当然、――――。 妬みもあったし、意地悪もされた。 あの西田飛鳥が、自分から声をかけた、クラスメイト。 取りわけ目立つ存在じゃない私に、尋常じゃない視線が注がれる。 今、思い返すと、ただのやっかみだったって笑えるけれど、当時の私にはそんなスキルも余裕も無かった。 「一緒にいると、ちょっと可哀想だね」 「西田さんの隣にいると、比べられちゃうの、わかんないのかな」 「自分より劣ってる子としか一緒にいないなんて、西田さんも性格悪いよね」 引き立て役だとか、釣り合わないだとか、もう、散々。 見た目は仕方ない、諦める。 確かに飛鳥の隣にいると、目立ってしまうから。 結局落ち着いた先は、―――。 優しい西田さんが話しかけたら、調子に乗った裕木さんがくっ付いて離れなくなった、という、私が空気読めない説。 そして。 他の可愛い子と西田さんが一緒にいないのは、自分が霞んでしまうから、という飛鳥の性悪説。
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!

351人が本棚に入れています
本棚に追加