大哉 3

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「どうしちゃったのっ? 大哉君が俺って!! 全然、らしくないじゃんっ」 「…やめたんだよ」 「やめた?? やめたって何を??」 胸にぐりぐりと額を押し付けて、小さな子どもが甘えるような仕草を見せる飛鳥に、心が急いた。 「……お利口さん」 「え?」 飛鳥はパチパチと瞬きをしながら、俺を見上げた。 「奏多に言われたの。 いい加減、お利口さんの振りをやめろって」 「大哉君って、お利口さんだったんだ」 「らしいよ」 「んー、よくわかんないけど。でも、大哉君が、俺って言うの、何か変なの」 「そうか?」 「うん、慣れないからかな」 口角に押し上げられて、ほんのり赤くなった頬が丸みを帯びた。 無邪気なその様子に、―― 力が抜けた。 「ばーか」 「何で馬鹿とか言われなきゃなんないのよっ」 「……明日、学校まで迎えに行くから」 「ほんとに? やったあっ」 込み上げてくる愛しさに、思わず目を細めた。
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