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真白な、部屋、―――。
静かな空気が、揺れる。
「…あ、すみ…。
だい、やくんを、…お願い……」
忘れられない、飛鳥の、声。
無機質な、電子音が、規則正しく鳴り続ける。
「私が、…出来なかった、こと……。
あす…みが、してあげて……。
だいやくん…を…あいし…て、あげて……。
…だい…やくんを、…まも…って……」
泣きながら、―――。
「…だいや、…くんを…おねがい…」
私の手を握りしめ、飛鳥は声を絞り出すように、訴えた。
「……あすみ…に…しか……」
それはまるで、―――。
私にしか出来ないんだと。
「…だいや…くんを…まもって……」
改めて、認識させるかのように、胸に響いたんだ。
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