飛鳥 1

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「ねえ、2、もうやった?」 「あ、うん。 今、森の湖に潜って遺跡を探索してるとこ」 「え、嘘-っ。早い、―――!!」 誰にも打ち解けなかった氷の姫が、ストンと私の前の席に座った。 それだけでもう、みんなからの注目が集まる。 「えー、何の話をしてるの?」 群がる女の子たちが、興味津々に近付いてくる。 あ、……。 さすがにこのまま、ゲームの話なんて出来ないかな。 何となく躊躇して、椅子を引く私に、 「もっと、裕木さんの話、聞きたいな」 西田さんは頭を傾げて、覗き込む。 「駄目、かな?」 駄目なわけ、ないじゃん。 私だって、『The Secret Garden』の話がしたい。 「えっ、…私はいいけど……」 「じゃあ、教室から出よ」 「えっ、でも……」 「私は裕木さんと話がしたいんだけど」 1本のゲームソフト。 そんな意想外なものがきっかけで、私たちは急激に仲良くなっていった。
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