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この話はずっと、私と飛鳥の中でも笑い話となっていて。
「教室に戻ってきた時の亜澄の顔が、ひくひくしてた」
って、飛鳥は話を出すたびに、ケラケラと笑う。
「だって、本気で怖かったんだよっ」
拗ねる私も、毎度のこと。
そういえば、大哉と初めて会った時も、この話をしてたっけ。
いつも、ちょっと嬉しそうに話してくれるから。
私の中の嫌な思い出も、戦いに挑んで潔く散っていった戦国武将のような記憶にすり替えられてしまっている。
あの日、―――。
正直にいうと、ちょっと怯んでしまってたのも、事実。
教室に戻ってからも、ドキドキと緊張が解れなくて。
そういうの、飛鳥はちゃんと見てわかってたんだと思う。
「亜澄?」
「ん?」
「亜澄と一緒にいると、迷惑?」
飛鳥はいつものように、すとんと私の前の席に座り、頬杖を付いたまま視線を伏せた。
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