351人が本棚に入れています
本棚に追加
「迷惑だなんて、思ってないよ。ただ、―――」
「ただ、何?」
大きな黒い瞳が、私を真っ直ぐに見つめていた。
「…飛鳥は…、私と一緒にいていいの?
楽しいのかなって……。
私、普通だし、そんな面白くないし……」
「私がね、亜澄と一緒にいたいんだよ。
でもね、亜澄が困ってるなら……。
友達を困らせたくなんか、ないんだよ……」
「……っ!!」
友達って言葉に、心がピクンと反応した。
「何かしらのメリットを求めてやってくるような子たちは、嫌い。
あの人たちにメリットはあっても、私には何にもないもん」
「あ……」
「私だって、普通だよ。面白くもないし。
でも、亜澄と一緒にいると楽しいの。
亜澄は私に何も求めてこないでしょ。
同じクラスになってからずっと、ちゃんと、観察してたんだから。
ジョシュアのシャーペンの子って」
「飛鳥…」
「でも、うん…。亜澄に迷惑がかかるなら……、うん」
長い睫毛がゆらりと揺れて。
少し悲しそうに視線を逸らした飛鳥に、何故か胸がきゅんとした。
最初のコメントを投稿しよう!