無限の奇術師

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無数にある世界の中でもその特殊性が際立つ魔法と科学の『オルゼティス』 オルゼティスには2つの国が存在している。 魔法を駆使て栄えし国、ゼシティ 科学を駆使て栄えし国、キティレ ここはゼシティの首都ゼレス近辺の草原である。 そして現在、ある人物が無数の魔物に襲われていた。 ??「・・・っち!キリ無ぇな・・・」 山吹色をしたローブのフードを頭までかぶった男は忌々しそうに呟く。 ??「仕方無い・・・《雷の怒り‐メルゼリオ・デ・ファロン‐》」 男が唱えた呪文により、あたりには無数の雷が落ちる。 魔物達はその雷に為す術なく、炭と化した。 ??「はぁ・・・雷の怒りはやっぱり魔力喰うな・・・ん?」 男の視線の先にあったのは、10代後半に見える少年を襲おうとする魔物の姿。 よりによって少年は意識を失っていた。 ??「ちょっ!ありゃやべぇ!!」 男は駆け出した。 常人の目には留まらないほどの速さで。 ??「間に合え!《風の槍‐フィンブル・デ・レンソ‐》」 魔物めがけて一直線に飛ぶ風の槍。 魔物は少年を食おうと口を開いた。 風の槍は口を開いた魔物を貫いた。 少年の脇腹を掠めてはいたが。 ??「ギリギリセーフ・・・少年、大丈夫か?って意識ないのか・・・」 男は何かを考え込むしぐさをしてからこう言った。 ??「あ、アイツに任せりゃいいや!」 そう言い残し男は少年と共にどこかへ消えていった。 あるメモを落として。 男が落としていったメモの表紙にはこう書かれている。 『To無限の奇術師』 無限の奇術師に。 そのメモ帳が一体何を示すのか。 それは〔彼〕にわかる筈も無く・・・
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