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すっかり乙女思考の自分を自嘲する。
「あいつ、昔のままだったな」
化粧が施された二重瞼の大きな目も
ふっくらと、柔らかそうなピンクの唇も
当時のままに見えた。
むしろ変わらなさ過ぎて、別人かと思った程。
『永遠の20歳』
「予言通りだ」
思わず苦笑が零れる。
今の俺をあいつはどう思った?
それにしても、あいつは再会が嬉くなさそうだった
その態度が気になる。
「失踪の原因はその辺にあるのか」
とにかく俺は、今日を運命と信じて
10年前と同じ後悔をしないよう
頑張るだけだ。
金曜の逢瀬に思いを馳せ、静かに携帯を閉じた。
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