夜行バス

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** ××駅から××線、××行。 ××駅で乗り換え。 ××線、××行。 ××駅で乗り換え。 ××線、××行。 到着。←ここまで迎えに行く ** 「次はこっちね。」 私はゲームをクリアするみたいに、果歩の誘導にそって電車を乗り継いだ。 果歩の家に行くのは初めてではないけれど、東京の路線は私には複雑過ぎる。 だいたい私は極度の方向音痴なのだ。 そんな私はなんの地理感も距離感もないままに電車に揺られ、果歩が迎えに来てくれる駅に辿り着いた。 駅の改札を抜けて、果歩が待ってる…なんてことは期待はしていなかったけど、予想通り。 しばらく彼女を探したけれど見当たらず、電話をしてみる。 「着いたよ。」 『あ、もうすぐ着く。』 しばらく待って手を振りながらやって来た果歩は、この真夏日にも関わらず、ノーメイク。 三十路の女は紫外線を何より怖がるはずなのに。 「ごめん。ごめん。シャワー浴びてた。」 悪びれる様子もなく、なかなか挑戦的だと思った。 でも、果歩らしい。 それに無理やりに早朝に来たのは私なのだから文句も言えない。 実際、頭にきてるわけでもないから文句もないのだけれど。 「コンビニで朝ごはん買って行こ。私がおごるから。」 「そうして。」 私たちは駅のすぐそばのコンビニで飲み物とサンドイッチを買った。
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