第1話  傘

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ザァァァァァ…… ―――あぁ 雨が降ってきた。 静音を迎えに行かなくちゃ。 今朝は降っていなかった。 天気予報では午後から崩れるって。 でも、きっと静音は傘を持っていない。 いつもそうなんだ。 出かける時に降ってなかったら、必ずといっていいほど傘を持たない。 …今度の誕生日は静音の好きそうな折り畳み傘を買ってやろう。 クスリ 笑みを一つ浮かべると僕は家を出た。 傘を差し、もう一本の傘を手にして―
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