第1話  傘

3/3
前へ
/40ページ
次へ
雨の中、パシャパシャと水を撥ね上げながら人々は足早に帰っていく。 ちょうど帰宅ラッシュと重なったみたいだ。 僕はそんな人たちの邪魔にならないように待つ。 向かいに見える改札から静音がやって来るのを―… 『いつもごめんね。ありがと、奏。』 そう言って、はにかむ静音の顔が好き。 ニヤける顔を隠しながら僕は待った。 止まない雨の中、傘をさしながら……
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加