第1話

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俺はそんなことをボーッと考えていながら返事をした。 「あぁ、ごめんまだ寝ぼけてた、直ぐに準備をするからちょっと待ってて。」 そう言い俺は机の上で散らかっている教科書やら筆記用具を鞄の中に乱暴に詰め込んでいた。 「あれ?拓君机に落書きをしてる…女性の絵?まさか好きな人の絵?」 彼女は笑いながら茶化してきた。 本当だ、いつの間に描いたんだろうか? しかし、上手く描いてるな俺が描いたのか? 自慢じゃないが中学時代に美術の時間に犬の絵の課題が出て、 放課後先生に「私は犬を描いてと言ったんですよ、なんで蛙を描くのですか?」と呼び出しを喰らうくらいに下手なのだ。 たぶん、前の講義の人が描いたのだろう。 そんな懐かしい思い出に浸っているうちに準備が終わった。 「さっ、準備も終わったしいきますか。」
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