第0話「夢」

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 誰が言ったのだろう。  誰が決めつけたのだろう。  誰がこんなルールをつくったのだろう。  何故、人々は各々に持つその夢を叶えようとはしないのだろう。  __神への反逆行為、か。__  空虚。ただそこに残るのは虚しさだけだ。諦め続ける人生に何の意味があるのだろうか。強く拳を握り、誰もいない空虚の中で小さく呟く。  悲しみに打ちひしがれるような掠れた声は、誰かに届く事も無く、ただひたすらに続く無空の闇へと呑まれてゆく。  時間が止まってしまったかのような、そんな感覚にさえ溺れてしまいそうになる。    __奴等にはわかるまい。理解する事も、もはや想像する事すらも止めた者になど。全てを諦め、ただ神という偶像ごときが敷いたレールの上を走るだけの人形共に。__    理を破り捨ててでも、それを手にするだけの価値は確かにある。  人類が人間という枠組みから外れるのも容易い。それを手にするだけで、今まで信仰してきた教徒など宗教など。馬鹿らしくも思えるだろう。  人が持たざるモノ。有するのを禁じられた「神々の持つる力」。
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