第2話

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「・・・・・・・・・」 ファーラは腰をついたまま、ひたすら呼吸をしていた。背中が汗でビチョビチョだ。気持ちが悪い。 「・・・・・・・・・」 落ち着いてきた頃、新たな感情が表れた。殺してしまった。人ではないけれど・・。自分の手で、殺してしまった・・・。ファーラは剣を握っていた右手を見つめる。大きく震えていた。ファーラは、震える右手を左手で抑えた。震えが止まらない。  突然、ポンと右肩を叩かれた。ミロラがしゃがんで目を合わせてきた。 「意外とやるじゃないか。やくやった」 彼はとても優しい目をしている。 「で、でも・・殺したんだよ。僕が・・」 声も震えていた。ミロラは明るく笑った。 「忘れたのかい?ここはゲームの世界だよ。相手は生き物なんかじゃない。君だって、コントローラーでプレイしていた時、平気に敵を切っていたんじゃないの」 「・・・・・」 確かにその通りだった。プレイしている時、多くの敵を惨殺している時の快感を思い出した。だけれどいざ自分が本当にそうしていると、何かおかしな感覚ではある。 「さあ、立って!もたもたしていると、次の敵にやられてしまうよ」 ミロラは立ち上がり、右手を差し出してきた。ファーラは、まだ震えている右手を差し出し、ゆっくりと立ち上がった。
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