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「俺、小林さんとヤリてぇ」
「お前、熟女好みか、おい」
夕刊の配達を終え、休憩スペースからこちらを伺っている成田と渡辺の声だった。
成田が悪戯っ子のような顔で言い、渡辺がそれをからかったような雰囲気だ。
私のこと?
成田は急の静寂に慌てて口をつぐみ目をそらしたものの、渡辺はまだニヤけた視線をこちらへ送っている。
暇な男2人が、私達女4人を品定めしているのだと気づいた。
「ちょっと、何ボーっとしてんの。またアンタの所なんだけど」
沢登の咎める口調で我に返った。
慌てて足した3段目のトレーが紙詰まりを起こしたのだ。
最初の内は笑いながら「直ぐに慣れるから」とか「最初は皆そうだから」と言ってくれていた作業メンバーだったが、最近では私が機械をストップさせる度に、これみよがしに溜息を聞かせてくれる。
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