第1章

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 各持ち場をメンバー内でローテーションしているのだが、今日の私にはもう各トレーへの補充担当は無理だと判断されたのだ。  そのトントンもやはり人より遅く、吐き出し口に溜めてしまうことにはなるのだが、機械をストップさせてしまう、というプレッシャーからは解放されホッとした。  しかしある程度トントンしたものが貯まると、各区域のチラシ置き場まで運ばなければならないので、単純だが重労働でもある。  この毎朝新聞西新宿販売所は13の区域に分けられていて、それぞれに担当の配達員が居る。  畳でいうと30畳くらいあるであろうこの作業場の壁一面に沿い、各区域ごとの作業台が添えられており、その下の扉のないロッカーのようなところに出来上がったチラシをしまうのだ。  夕刊を配り終えた各区域の配達員達が続々と帰ってきた。  「沢登さん。今日何回戦?」  「3回戦だよ。あと1時間くらい掛かるかな」
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