第1章

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 そんな中で成田だけは特異な存在感を放っていた。  年齢はおそらく20歳そこそこ。  背が高く体は細身ながらも筋肉質で、顔も中々の男前だ。  身なりも小奇麗にしていて、近寄るといつも男物の香水が香る。  金色に染めた髪がまだまだやんちゃな雰囲気ではあるが、私達作業メンバーにはいつも礼儀正しく、私は好印象を持っていた。  それにしても、「ヤリてぇ」とはセックスのことだと思っていいのだろうか。  女性を卑下した会話だと思う一方で、その成田から女として見られたことが嬉しくもある。  他の男達であれば虫唾が走るが、成田であれば軽い冗談として受け止めることも出来る。  彼に抱かれたら一体どんな感じだろう。  体の芯が熱くなるのを感じた。  最近性欲が強くなった。  欲求不満とも言える。  原因は分かっている――。
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