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「テメェらの罪を数えな。」
怒り心頭の様子のミコト先生がゆっくりと近付いてくる。
未だに眼前で『義妹』だとか『お兄ちゃんのパンツ』だとか『クンカクンカハァハァハァハァペロペロ』だとかほざいているテツの首を右手で掴み引き剥がし盾にする。
「フハハハハ俺に攻撃すれば貴様の従弟であるテツにも危害が及ぶぞ。」
先生から死角に入るようにテツの影に隠れる。
「問題ねぇ。」
俺の右手に掴まれていたテツが一瞬で視界から消え、直ぐ隣のフェンスから何かがぶつかった様な音が聞こえた。
視線を向けると痙攣しながら倒れているテツ。
前を向くと横凪ぎに蹴りを繰り出した体勢で固まるミコト様。
そして一瞬の動作で振り切った脚を引き戻しテイクバック。
あまりに手慣れた動作に冷や汗が流れる。
「死になさい。」
迫り来る漆黒の右足(黒パンスト)を目で捉えて、腰を落とし左手を顔の横に。
同時に左手を鈍い痛みが襲った。
「痛い」
「感想がショボい。私のハイキック止めるなんてやるわ、ね。」
先生はニヤリと笑いながら圧し切ろうと力を込めてくる。
「マジでほとんど見えなかった、わ。てか力入れんな。ミシミシ言ってるから。」
「キッチリ止めておきながら良く言う。さて、アンタは私を色気の皆無な喪女と言った事を後悔しながら死ぬか、詫びながら死ぬかの二択よ。」
「どっちにしろ死ぬしかないじゃねぇか。」
右足に力を入れて圧し切られない様に踏ん張る。
「そう。アンタの未来は"でっどおあだい"。死か死よ。」
先生英語の発音悪いなぁおい。
「いや、先生に色気が無いなんて俺の気のせいだったわ。先生マジで色気ムンムンだわ。」
そう言い少し視線を下げる。
「今更遅いわよ。.......ん?」
レースの紫。タイトなスカートの中に見えた三角地帯。
先生も俺の視線に気付き、顔を赤くして飛び退く。
「見たわね?」
先生はスカートの裾を抑え、若干内股になりながら此方を睨み付けてくる。
「しかと見届けた。確かに先生は酒豪だし愛煙家だから一般的には色気の無いと思われがちだが、今の下着を見て俺は認識を改めざるをえない。」
少し真面目な顔を造り、先生の顔を見詰める。
「わ、解ればよろいし。」
先生は努めて冷静を取り繕いながら臨戦態勢を解く。
思い切り噛んでいたので威厳などは皆無だが。
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