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俺は安堵から思わず頬が緩んだ そんな姿を見て貴月さんは言いにくそうに口を開いた 「だが、沙月にもし好きな人…本気で愛する人が出来たなら 君には悪いが、この話は白紙にしてもらう」 …っ 人生そんなに甘くない、ということか 「分かりました」 手のひらに汗が滲んでいく 不吉な未来の絵が頭にどんどん溢れて、沙月が遠ざかっていく 手を伸ばしても届かないところに行ってしまう… ……そんなの御免だ
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