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そう言った瞬間、志樹が私を腕の中に閉じ込める
細い腕、なのに強い力
「離して…!」
「嫌だ」
…昔のことがフラッシュバックして、ガクガク体が震える
「俺が黙ってた理由…沙月もわかってるでしょ?」
耳元でそう囁く彼
黙ってた理由?そんなの…
「分からない…」
あの日…階段から落ちたあの日から
私は志樹の事がわからない
だって、前は志樹は私を傷つけるだけだったもの…なのに、志樹は私を庇った
もう頭の中、グチャグチャでわからない
「ボクが、起きてたの隠してたのは…」
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