第1話

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バタンッ……[ふうっ、]子犬は母が病院に連れて行った、なので私は自分の部屋で寛ぐ事にした。マロンは大丈夫かな?やはりあの子が心配だった、少しでも気を紛らわそうと部屋にある本棚から読みごたえがありそうな本を一冊引っ張り出した[そう言えば……]私はある事を思い出して、台所に向かった [あった、おやつー!]冷蔵庫からぷるぷるのゼリーを取り出した、そしてそれをスプーンで掬おうとしたその瞬間、何やら誰かの視線を感じる[シュタイン!!]私は視線を感じたその途端、大きな声でそう叫んだ。するとシュタインはぺこりと頭を下げて犬小屋に戻った、 [全く、賢いのか馬鹿なのか……]ご立腹気味にシュタインの方を見る、するとまたじーとこちらを見ているシュタイン、けどやっぱり可愛い!こんな私はまるで犬馬鹿のようだ。 [ねえ、シュタイン?マロン大丈夫かな]ゲームが大好きな飼い主の私だけど、ずっと飼い犬の事は考えてるんだよ?だからマロンが心配だよ、 [大丈夫だよ、未来美奈!]そんな事を思っていると、ふと誰かの大丈夫と励ましてくれる声が聞こえた。[シュタインが喋ったの?]思わず目の前のシュタインにそう、聞いてみた、するとシュタインは小さく頷いた どうやらシュタインが喋ったのは私の幻覚だったみたいだ、いや耳の錯覚だったのか?まぁどちらでも良いや私は思わずシュタインを見つめた [ワンワン!]シュタインったら嬉しそうに飛び跳ねている。何がそんなに嬉しいの?そっか、話しかけてくれるのが嬉しいのね?何だかシュタインの気持ちが分かる。 夏なのに元気にはしゃぐのね!シュタインは笑顔一杯だ、 思わず私もにっこりと微笑んでシュタインの頭を撫でた。[私そろそろ行くね]そう言って少女はスウッと消えた、暫くして[ただいまシュタイン]この家の主の女性が帰宅した。女性は帰宅するや否やシュタインの頭を撫でた、 ねえ、シュタイン、あの子が居なくなってもう何年絶つのかな……?女性は悲しげに子犬とシュタインを見つめた。後ね、この子犬捨て犬のはずなのに何故か綺麗なの、不思議よね?それとね……この子の名前なんだけど。マロンはどうかな?名前の由来はあの子なら付けそうな名前だから、女性はそう言って台所に向かった[ゼリーが無いわ?]驚いて冷蔵庫を何度も見るけどあの子の大好物の苺ゼリーが無い[それにしても、暑いわね]今日の最高気温は33度だそしてあの子が居なくなった日は丁度この日。 道路に居た犬を助けようと未来は無我夢中でその子の側に駆け寄った、しかし信号がチカチカと点滅した
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