第2話 失われるもの

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月曜日 私は彼と一緒に、彼の叔父さんに会いに行った。 「ここ…?」 それは、ちょっと普通の家とは言い難い感じだ。 「びっくりした?教会なんだよね」 「教会…?」 純日本家屋だけど…教会。彼の家は天理の家系だとは聞いていたけど…。 「こんにちはー」 彼と一緒に上がると、真っ先に二階に行った。 そこはまるで外とは別世界で、厳かな雰囲気だった。 彼は正座すると、お参りを済ませ、隣の部屋を開けて言った。 「失礼します」 「おう、来たか」 私は彼に続いて部屋に入った。 「こんにちは」 「あ、どうもはじめまして」 私が恐る恐る挨拶すると、叔父さんらしき人が返した。 「まあ、座って」 私達は叔父さんの向かいの座布団に座った。 「えーと、叔父の杉浦です」 「城内結香です」 私達は自己紹介しあった。 「大変だと思うけど、こいつのよろしくね」 「あ、はい」 それ、親の台詞だよ。 「…緊張してる?」 「あはは…」 私は苦笑いした。 「人見知りするんですよ」 彼が私を指差して言った。私は彼の言う通り、かなり人見知りだ。 「えーと、20?」 「はい、一応」 メイクもしてないし、小柄だし、超童顔だから、見た目は中学生だけど。 「10代にしか見えない…職質されんなよ?」 彼に笑って言った。 「免許証があるんで、たぶん大丈夫です」 「で、9週と2日だっけ?」 「はい…」 私は少しばつが悪そうに答えた。一応、できちゃった婚だし。 「大変だよ?でもおめでとう」 「ありがとうございます」 「ついにお前も結婚か…兄貴は?」 兄貴という単語が出た瞬間、彼の顔が一瞬曇った。 「さあ?とりあえず死んだって話は聞いてないっすね」 「まあ、あいつは元気だろ」 「会いたくないんで、連絡先も知りませんから」 本当に仲悪いんだな。 「こいつの兄貴は本当にどうしようも無いから」 「はは…」 私はただ苦笑いするしかなかった。 「とりあえず今日はこれから用事もあるんで、とりあえず挨拶だけなんですけど…」 「おお、そうか」 彼がそう言うと、叔父さんは時計を見た。 「こっちもそろそろお客さん来る時間だから、また今度ゆっくりご飯でも食べようか」 「そうっすね、14日もありますし、その時にでも」 「そうだな」 「それじゃあ、バタバタですみません」 私達は叔父さんに別れを告げて、家を出た。
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