序章

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命。 それは全ての始まり。 そして命とは、何とも頼りなくて儚いものか。 運命の悪戯に翻弄され、いつ消えてしまうかもわからない灯火。 命。 それは新しい時代の小さな小さな歯車。 一つの破片が、大小関係なく世の中の何かを良くも悪くも変える。 そして私たちに新たな希望を与えてくれる。 命がなければ不幸も幸せも、感性も人との繋がりも、この世の全ての何もかもが意味をなくす。 死。 それは全ての終止符。 そして自らが生きていた証。 生も死も全てに意味がある。 生は新しく何かをつくり。 死はそれを後世に 生と死は紙一重。 生があるから死がある。 死があるから生がある。 不幸があるから幸がある。 幸があるから不幸がある。 世の中の全てが光と影の背中合わせ。 そして、この世は生と死の輪廻。 色んなものが生まれ蘇生される、 その繰り返し。 複雑に絡まりあってつくりあげられてきた。 奇跡の産物。 私は、この世の歯車の一部になれるのであろうか。 私の生命は何かをつくりだし、そして死後、この世に何かを残せるのでしょうか? 人生に答えなどはない。 けれど、生きていたというその証全てこそが、人生の答えなのだろうと私は思う。 答えは後世の人にしか知りえない。 なぜなら、自分で自分の死を見送ることはできないから。 だから私の答えを、証を、最後まで見守っていてください。 あなたの胸に刻んでください。 最後の1ページまで。 私が生きていた証をーーー。
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