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いよいよ修学旅行の日が訪れた。晶子たちは秋葉高校に早朝集合し、貸し切りバスで羽田空港に向った。行動はすべて班単位だった。晶子と朋美はほかの元文化祭実行委員グループと同じ班になっていた。つまり、良平、秀太、賢一、かおるが晶子と朋美の班だった。
「ところで、わたしと晶子はスキップするけど、この班の自由行動はどこにしたの?」
バスの中で朋美が後ろ座りして、後ろの席の秀太と同席している良平を上から覗き込むようにして話しかけた。
「ああ、俺たちは迷った挙句に石垣島と竹富島にした。賢一が八重山そばを腹いっぱい食いたいっていうし、かおるは竹富島の星砂の浜を歩きたいって言うからさ」
すると、良平たちの後ろの席にいた賢一とかおるが同時に顔を突き出した。
「なんだ、良平だって竹富島でウシが引っ張る車に乗ってみたいって言ったじゃないか」
「そうよ、わたしは朋美や晶子に星砂をお土産に拾ってきてあげようと思ってるのよ」
「かおる、ありがとう。星砂欲しいわ」
晶子も朋美と一緒に席を後ろ座りして皆の会話に参加した。
「でもね、俺はほんとうはアラマ諸島に行ってみたかったんだ」
秀太がぽつりと言った。
「いやだ、秀太さん。まだ言ってるの?だって怖いんだもの。それに、先生方だって賛成しないわ」
かおるの言葉に、好奇心の旺盛な朋美が興味を持った。
「どういうこと、秀太さん、アラマ諸島に何かあるの?」
「うん、俺はネットでいろいろ調べてみたんだけどね、アラマ諸島の中に『イキリョウの島』と呼ばれてるのがあるらしいんだ。港もない無人島なんだけどね」
「イキリョウの島?何それ?」
「イキリョウは生きた霊ってことだよ。その島には生きた人の悪霊が漂っていてそこに誤って上陸した人は取りつかれて命を落とすという古い言い伝えがあるそうなんだ」
「それって、怖いじゃない。どうしてそんなことに興味があるのよ」
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