01:驚きはすぐそばに-2

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 さすがは仲間思いのゆっきー姉さん。最古参のチームまとめ役。こういう時の行動はやっぱり早いね。 「うぅん、でもねひめちゃん。今回はかほりんのほうがね、私よりも先にすぅ太っちにコメント書き込んでたのよ?サッサと戻ってきやがれ、って」  え、そーなの?かほりん? 「ふふ、そーよ。まぁ、すぅ太とは短い付き合いじゃないしね。私だってそれぐらいはするわ。ちなみに、Eカップなのもホントよ?」  いや、Eカップの話はもうEから…。  そんな私たちの緊張感のないやり取りは、黒川マスターのこの一言によって打ち切られた。 「対戦相手、発表されたよ。うん、これなら多分勝てるね」  バトルの対戦相手は、試合開始10分前に発表される。私はバトルのトップページに戻ると、急いで対戦相手のデータを確認した。 ギルド名『infinity』 通算成績:98勝122敗  チームランクは私たちのひとつ下、Bランクだ。 自分以外のプレイヤーのデータは総ステとメインアバターしか表示されないけど、マスターの言う通り、確かにあまり強いチームには思えない。 チームランク云々以前の問題として、私たち『ぬこのしっぽ団』に比べれば、明らかに格下だ。 「この戦いに勝ったら9連勝だね。10連勝目指して頑張ろう!」  マスターのその気合いが入った一言を皮切りに、戦いの火蓋は切って落とされた。
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