01:驚きはすぐそばに-2

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 私はその旨を伝えに、サイファさんのマイページにまたジャンプした。 レベルが、8になっていた。 序盤は確かにレベルが上がりやすいけど、それにしてもハイペースだ。  マスターの読みどおり、とりあえずやる気だけはある人なのかもしれないな。 「ありがとうございます。さっそく加入申請してきます」  サイファさんは、私の掲示板にそう書き込んだ。 これでまた『ぬこのしっぽ団』は20人の満員御礼状態に戻ったワケだけど…。 私は内心、複雑だった。  もうちょっとすぅ太さんを待ってみてもよかったんじゃないかな?って、ちょっぴり思う。 せめて、すぅ太さんの意志を確認してからでも…。もちろん、それさえも難しい状況なのはよくわかってるけどさ。 それでも実際、今までめちゃくちゃお世話になった仲間であることは間違いないのに…。  私が、そんなセンチメンタリズムに浸っていた時。 「…おやん?」  私の個人掲示板に、サイファさんからさらにコメントが書き込まれているのに気づいた。 「加入申請が承認されました。これからお世話になります。あと、ひめこさん、ゲームをやっていて何か異変を感じたら教えて下さい。どんな些細なことでも構いませんから」  でもその内容はよく意味がわからなくて、私は結局何も答えぬまま、次のバトルまでに少しでもトリシューラを強化すべく、クエストをこなすことに専念していた。
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