第3話

01:驚きはすぐそばに-2

　このままスルーしちゃおうか。
どうせマスターに報告してもこのレベルなら却下されるのは間違いないし…。たらい回しにするだけ残酷だしね。
　私は、そのサイファさんの個人掲示板に断りの返信を書き込むことにした。

「すみません、ウチの騎士団はムリだと思いますよ？」
　すると…、
「どうしてですか？僕が弱いからですか？」
　うぁお、返信早ッ!!
この人、ずっとオンラインだったのかな…。
「えーっと、ウチはガチチームぢゃないけど、一応Ａランクだし、難しいと思いますよ」
「レベルならこれから上げていきます。どうしても加入したいんです」
　んー、参ったな。
すんなり引き下がられるかと思いきや、意外と食いつかれた。
　確かにこのゲームは“チェイン”というシステム上、個人の戦闘力よりバトル参戦率の高さのほうが重要だったりする。
逆に言えば、どれだけ強いプレイヤーでも、決められた時間にログインしてバトルに参戦してくれない人はチームにとって何の役にも立たないってことなのだ。