1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここが今日から通う高校かーっ、なんかドキドキする」
新しく身に纏った制服は、まだぶかぶか。
赤いリボンに、綺麗に織のついた紺色のスカート。
胸元に光るのは、"入学おめでとう"の飾りとあたしの名札。
背中に背負っているのはピカピカの通学鞄。
全てが新しくなった今日。
あたしは入学する高校の前へと立ち竦んでいた。
「未椰ーっ、おっはよ」
「あっ、おはよ。由梨」
緊張でガチガチになった肩をペシペシと叩いてあたしに話し掛けたのは…
あたしの親友の、牧瀬 由梨。( まきせ ゆり )
ああ、あたしの名前は鳴瀬 未椰。( なるせ みや )…ね。
「そーいえばさ、春は恋の季節っていうじゃん?…あたし、気になる人できたんだあ」
えっ、もう?早くない?
そう思いつつあたしは口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!