記録

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 私は肌寒い季節、秋の9月30日に都内の都立病院に生まれた。 母は初めて私を抱いたとき涙を流して笑っていたという 私は母を知らない、私を産んだ直後に亡くなったと父から物心ついた頃に聞かされた 当時は特に大きなショックは無かった、それよりも理解出来ていなかった。ただ周りの子と異なって「違う環境」であることを感じた  初めての授業参観、仕事が忙しい中時間の合間を縫って父が来てくれた 嬉しかったでも周りの子は皆母親が来ていた 何故か胸が締め付けられる感覚、何故か無性に寂しく感じた 今思えば私はこの時が幸せで不幸だったのかもしれない。
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