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原始の海に生成された単純な有機化合物は、それ単体では脆弱なモノでした。
絶え間なく降り注ぐ宇宙線は、それを粉々に破壊しました。
しかし、ある時。
その小さな欠片は一つ、また一つと集まり、次第に大きなコロニーを形成するようになりました。そのコロニーは他の単体を吸収することで、自らの存在を維持しているかのようでした。
単体から群体へ。
弱者が身を寄せ合うかの如く。
いつしかそれは、生存の意志を示すかのように、その姿は長く連なった鎖。或いは絡み合う二匹の蛇。
それは、“モノ”から“者”に昇華した姿と言えるかもしれません。
思考する器官さえ持たないはずのコロニーが、己の生存を賭けた遥かな旅を始めた瞬間。
そこに“意志”と呼べるものは見いだせません。
しかし。もし仮に、その『行為』に名を付けるとしたら…
『純粋な生存本能』若しくは『征服者への第一歩』
いや、もっと別な…
今少し、“彼等”の旅を見てみましょう。
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