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「お前、次の実技デュエルは降参しろ
さもないと…分かってんだろうな!」
不良がなんかドスの効いた声で私を怒鳴り付けた
「誰が降参なんてするもんですか!
もしかして私と戦うのが怖いの?」
柄にもなく大きな声で不良に対抗する!
偉い私!
「アホか!
戦うのはおれじゃねぇ!」
え?じゃあなんで降参しろとか言うの?
「とにかく俺とデュエルしろ!
負けたら次のテストは降参しな!」
不良の大声につられてかまわりに生徒の人だかりが出来ていた
あっ、潤子もいる
潤子は親指を突き立てて、何かを期待したような目で私を見てくる
そうか!
彼女は前よりも強くなっている私に自信をつけさせようとしているのだ!
つまりこの不良はいつものお芝居の一種!
きっとこの不良に悪役を頼んだのだ!
ああ、なんて今日の私は冴えているんだろう!
潤子には悪いけどその手には引っ掛からないぜ
「良いわ!アンタなんて私が3分で片付けてあげる!」
周りの生徒達が私の言葉と自信に感嘆の声をあげる
日頃からカッコイイ台詞とポーズを練習しといて良かった
どうせ芝居なのだ
盛大にやらねば!
「テメェ!!
いってくれんじゃねぇーか!
この鬼瓦 竜を馬鹿にしたツケはでけぇぞ!!」
不良がムカムカのように体から熱を出し怒りをあらわにする
「負け犬ほどよく鳴くものね」
またもや歓声!
生徒達は完全に私の演技の虜となっている!
あそび万歳!あそび万歳!
「「デュエル!」」
その時潤子が「あれ?何であんなに自信満々なんだろ?」とか呟くのが聞こえたような気がした
気のせいだよね?
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