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ドライブインに寄ったりして、美瑛の宿についたのは、午後4時くらいだった。
「ここ…?」
ホテルの玄関の前で、秋菜は立ち止まってしまった。
この辺り数軒あるホテルの中で
一番古くて小さかった。
ホテルと名がつくものの、半地下1階を含む3階建てで、旅館みたいな感じだった。
ちょっとショックだった。
ロビーもフロントも狭かった。
フロントのカウンターでチェックインの手続きをする豪太の横に並び、秋菜は後ろを向いて辺りを見回す。
天井が低く圧迫感があった。
豪太なんて、もう少しで頭が天井に付きそうだった。
壁もくすみ、床に敷かれたカーペットは微妙な色合いであちこちにシミがあった。
エレベーターは2基あるうち、1基は節電停止中で、残るほうもやたら遅くて、階段の方が早かった。
……がっかりだった。
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