はんぶんこ

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私の名前は丸山 さおり。 今年で二十歳になる。 双子の姉を亡くしてからは、親の愛情を独り占めにして生きてきた。 姉のかおりが亡くなってから両親はひどく嘆いていたが、瓜二つの私がいたことでだいぶ救われたらしい。 私が…かおりを殺したのに。   14年前のこと。 私とかおりは近くの廃屋で遊んでいた。 それはいつものことで、周りの大人は「気をつけなさい」と言うだけで特に気にもしていないようだった。   私たちが探検する廃屋の裏庭には蓋の半分壊れた古井戸があった。
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