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むにゃむにゃとバナナを咀嚼していたノボルが、ガバッと起き上がった。
「コダマ、お前が食べ物を俺にくれるなんて!何をした?絶対何か良からぬことを……」
「大丈夫だよ、ちょっと落としただけのバナナだから」
ノボルは何とも言えない表情で腹を撫でた。
「うかつだった……いくら寝ぼけていても気づくべきだった」
「ノボルちゃんまだ若いから、きっと何にも起こらないよ」
ノボルの腹は、その夜盛大に反乱を起こした。
「もう若くはない」
苦々しく吐き捨てるノボルを見て、コダマは久々に心から笑った。
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