第1話

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それから、二人が出掛ける機会は日に日に増えていった。 初めて二人が出掛けたあの日から二年。今では毎週土日は出掛けている。 寂しくなんてない。 そう虚勢を張るのも疲れてきた。でも、そんな僕の気も知らず、パパはこう言うのだ。 「亮、今日なんだが……」 「出掛けるんでしょ? ちゃんとご飯代置いてってね」 もう飽き飽きだ。この応答は一体何度目? もう何も思わない。こうやって、親がいないのが僕の日常。 もう、何も期待していない。二人は決して僕を連れては行かないし、何をしてるかも教えてくれない。 どうせ、二人でよろしくやってるんんでしょ? 僕抜きで。 苛立ちを隠しきれず、ご飯代として貰ったお札を握り潰した。 かさり、とやけに乾いた音がした。
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